スポーク長の計算値 検討
スポーク長の計算式で求められたスポーク長(L)は芯計算なので、スポーク径やエルボ頭を考慮していません。
L² =a² +b² +c² – 2abcosα ・・・(A)
これを考慮すると果たして数値はどの程度変化するのか、検討してみました。
左図の通り、Ltはスポーク径やエルボを考慮したスポーク長ですが、スポーク長の測り方とは違いますので、最後に補正を掛けています。Γは首高さですが、今回はフランジ芯から曲点芯までとしました。Θは首角です。CAD上は96.56度でしたが、JISで首角は95度と決められているそうなので計算上はそちらを採用しました。
(A)式で求められたLから、余弦定理で(B)式が求められます。
L² =Lt² +Γ² – 2LtΓcosΘ ・・・(B)
(B)式よりLtを出す式が(C)式となります。
Lt² =L² -Γ² + 2LtΓcosΘ ・・・(C)
(C)式は左図で見るとエルボインです。絵には描いてませんがエルボアウトを出すには(D)式となります。
Lt² =L² +Γ² – 2LtΓcosΘ ・・・(D)
(A)式および、(C)、(D)式からスポーク長を簡単に出せるようエクセルで作成したものが下表です。水色は計測代入値、薄ピンクが計算結果です。計算結果から1mmを減じたものがやや濃いピンクです。1mmを減じた理由は(A)式についてはスポーク径やエルボ頭を考慮していないこと、(C)、(D)式については拡大図からお分かりの通り、スポーク長の測り方に基づくよう補正をかけたためです。
(A)式から出たスポーク長と(D)式からのスポーク長は同じ結果(300-298)となりました。エルボインの(C)式からは299-297です。
エルボインとエルボアウトを分けてスポーク長を出し、スポークを用意するというのも現実的とは思えません。検討結果からスポーク長の計算式の(A)式で十分なようだと分かりました。