便器を自分で修理する INAX DC-3580
築28年になる我が家も、最近は便器がおかしくなって来ました。ロータンクから便器にかすかに水漏れがするようになったんです。10年ほど前も同じ現象になったので、これはタンク内のゴムフロート弁の劣化に違いないと近くのホームセンターでフロート弁を買って来て取替えましたが、改善しません。
タンク内をよく見ると、オーバーフロー管(下図 6番)がぐらついています。どうやら根元でヒビが入って、そこから水が漏れているようです。
オーバーフロー管を取り替えるにはタンクと便器を離さなければなりません。
取り敢えず離してみると、拡張型樹脂ナットが使われているので、再使用はできません。これが廃番となっている場合は、タンクは便器に乗せるだけか、丸ごと便器を取り換えるかになります。
メーカーホームページで取り替え部品型番を調べます。
シマノのスモールパーツのような分解図をダウンロードすると、拡張型ナット(9番)とオーバーフロー管(6番)は廃番になっています。昔はこんな分解図をダウンロードするなんてことは出来ませんでした。よほどのツテがない限り、業者任せしか出来ず、法外な値段を要求される可能性もあったわけですから、本当に便利な世の中になったもんです。
それはともかく、廃番となっては便器を取り替えようかと思いますが、同等品をネットで探すと取付け費用込みで最安で8、9万します。ネットの最安でなければ軽く10万はオーバーし、TOEIフレームが買えるじゃん(爆)てなところもあります。陶器部分は健在なので勿体無いです。
自分で取り替えれば、便器代と処分費で最安4万弱で出来ることは分かりましたが、それでも勿体無い感は否めません。
また、便器とタンクを離して分かったのですが、分解図の7番にあるようにディストリビューターという部品が樹脂でできていて、これも劣化でちぎれて穴があいていました。しかし、これは廃番ではなく取り寄せ可能でしたので、自分で直す方向に傾いて行きます。
劣化でボロボロなディストリビューター
便器とタンクを離すまではディストリビューターが劣化していてもなんとかもっていたのですが、一旦切り離したせいか、不具合が表面化してタンクと便器の間からも水が漏れ始めました。お盆休みと重なってネットでもすぐには手に入りません。ディストリビューターがくるまでの応急処置として写真のような方法を考えました。これは非常にうまくいきました。メーカーも最初から樹脂ではなく、陶器で作れば劣化で苦労することもないのにと思ってしまいます。
拡張型ナットはホームセンターで代わりのものを探し、なんとか使えることが分かりました。
さて、廃番となったオーバーフロー管の再生を考えます。
(過去にオーバーフロー管が無くて困ったということも皆無でしたので) 最初は折れた根元にゴム栓をしてオーバーフローをしない方法で対処しようと思いました。これはうまく行きましたが、ストッパーが無いためにフロート弁の制御ができないのです。ゴム球の弁は水が満水の時は水圧で浮かないのですが、ある程度水が少なくなると浮く構造となっていて、ストッパーが必要なことが分かりました。簡単な原理ですが、下図のようにゴム球からストッパーまで80という寸法が機能する微妙な寸法でした。レバーを上げてもゴム球が浮かないように鎖を調整すればいいのですが、そうすると、水を流し終えるまで手動でレバーを持っていないとならなくて、これは家人から却下されました。
次に考えたのは、破断した根元の内管を削りオーバーフロー管を繋ぐことでした。ただこれはストッパーまでの距離が10ミリほど短くなって水流の制御がうまくできませんでした。(写真は繋いで周囲を念のためシールしたものです。)
次に考えたのは、ゴム栓案のまま、ストッパーを別の形で新しく作ることですが、これは面倒なのでもう一度代替品を探しました。他の機種用のオーバーフロー管の中から排水部のネジ径やゴム球の径がぴったりのものが見つかり(INAX品番TF-1810C)、ディストリビューターよりも早く届きました。メーカーに打診した時は代替え品は無いとの返事でしたが、ちゃんとあるではありませんか。違うのはL=268に対してL=287になったことですが、これは問題ないと思います。
お盆が明けた1週間後、やっとディストリビュータも届き、ようやく元のかたちに戻せました。水に関わる修理というのは下手すれば使えなくなるので何度か挫折しかかることもありましたが、結果的にはお金よりもむしろ自分で直したという達成感が大きいです。
こんにちは。
同じタンク、便器でオーバーフロー管が壊れ、拡張型ナットの事を知らずタンクを外してしまったsamuraijack7です…
ブログ内で、拡張型ナットをホームセンターで確保されたようですが、型番など分かりますでしょうか。
やっとの思いでINAXの構造図を入手し密結ボルトの型番を入手したのに廃番でガッカリしているところ、この記事に辿り着きました。
拡張型ナットの型番を教えて頂けると、非常に嬉しいです。
ご返信お待ちしております。
因みに私はCOLNAGO CLX 2.0に乗っております!
samuraijack7 さん
返信遅れました。
記事中の拡張型ナットはINAX製品ではなくて、汎用品です。
なので、記事写真右側の金属とゴムは製品付属のもので拡張型ナットのみ取り替えました。
近所のホームセンター(ビバホーム)に帰りに寄って写真を撮ってきました。(笑)
製品名はトグラーというもので、ネジがM3.5~M6に対応のようです。現在1個39円です。これはお店にあった一番大きなもので、大きさは3種類ぐらいありました。
この樹脂製のモノにネジを嵌め、先端をすぼめて便器の穴に差し込み、ネジを締めていくと樹脂製のモノが拡張していきます。
お分かりでない場合はご遠慮なくコメントください。
こんにちは
我が家のInax カスカディーナ DC-3580Sは、ディストリビューターがボロボロになり、タンクと便器の間で漏水を起こすようになりました。漏水はフラッシュ1回で10㏄くらいなので、ドバーというようなことななかったんですが、業者に修理を依頼したら、便器ごと交換で、10万円ということでした。密接ボルトのメーカー在庫が無く、修理できないとのことでした。
いろいろインターネットの情報を集めていたら、このブログを発見しました。
力を得て、自力で修理することにしました。
ディストリビューターは、メーカー在庫あり。
密接ボルトはどこにもありません。
フロート弁一式は予防整備で交換しました。ブログに書かれていた、TF-1810Cを購入し、オーバーフロー管の先を15mm位切って使用しました。問題なく付きました。
最大の問題は、拡張型ナット(密接ボルト)でした。使用されているパッキンは、カインズのサイズ№07 平パッキン(外形28mm、内径4mm、厚さ1.5mm)が厚さ以外はぴったり合い、2枚重ねして交換しました。
問題はナットです。3つあるナットのうち2つは便器側に固着しており、すんなりではありませんでしたが、ボルトを締めることができました。残りの1つは、プラスチック部品が壊れており、便器側のナットがどこかに行ってしまったのかありませんでした。当然ボルト締めができません。
そこで、このブログに書かれてあるトグラー TCを買い求めホームセンターのはしごをしましたが、コーナンはトグラーはありましたが、TCは在庫切れ。DCMカーマに行ったらトグラーは全くありませんでしたが、よく似ているYAHATAの極細スリムくん S-3ステンビスという商品があり、それを買いました。結果的には正解で、タンクのボルトを締めることができました。
現在は水漏れもなく順調に稼働しています。
我が家には、トイレのタンクの水を使用し冷房をする トイレ用水冷エアコン(WC-1)があり、最新型の便器の小さなタンクには水中ポンプが入らなく、たとえ工夫して入れてもタンクの水量が心もとないので、トイレのエアコンを諦めなくてはならなかったところでした。おかげで来夏も涼しいトイレが使用できます。
後に続く方のために、代替品の品番などが参考になればと思います。
眞さんのおかげです。ありがとうございました。
めんまさん
詳細なご報告ありがとうございます。
確かに最近の便器は節水型でタンク容量が小さくなっているので、そんな理由から直したいというモチベーションが下がらなかったのでしょうね。私も参考になりました。どうもありがとうございます。
LIXIL タンクDC1880Sで水漏れがあり、後ろの密接ナットの金属部分を締めたら、プラスチック部分がちぎれてしまい、うまく治らず、漏れ始めました。そして、こちら様のページにたどりつきました。取り付け方の質問ですが、トグラーをすぼめて、ゴム穴に押し込み、それを長ネジで締め付ければいいのですか?締めていくと、プラスチックが蝶開きして、密接が上手く行かないのではと思いますが、どうですか。お教えください。今まで、水漏れに気付かず、床に染み出ていました。トイレ修理と交換に25万と見積もりをいただきました。とても予算がないので、自分で治そうと思います。もう一度ですが、まず、トグラーをすぼめてゴム穴の後ろ側から押し込み、タンクを付け、上かろ長ネジで締めればいいですか。上手く行かなければトイレ交換も考えています。どうぞ宜しくお願いいたします。
TADAさん、まず確認ですが記事内のタンク型番と貴殿のタンク型番が違うようですが、拡張型ナット(9番)周りの形状はほぼ同じでしょうか?
私の場合は純正の拡張型ナットが分解時に使えなくなったのでトグラーを使ったという経緯があります。その際に便器側にトグラーをすぼめて差し込んでネジ締めで
便器内でトグラーを拡張させたのですが、便器側はゴムは無く陶器の穴がただ開いていた記憶です。ゴムがあるとすれば私の場合と違うケースではないでしょうか?
この辺りをコメントいただければアドバイスできるかもしれません。
追伸
記事中画像4枚目にトグラーの写真が載っていますが、その上のボルトやパッキンは旧部品をそのまま使用しています。このあたりの形状も確認ください。
追伸2
画像8枚目(最後から2枚目)に便器側の写真が載っていますが、このように穴にはゴムがありません。この穴にトグラーをすぼめて入れてボルトを締めこんでいけば便器内で白のプラスチックが拡張して(開いていき)タンクと便器が密着していきます。重要なのはゴムのパッキンがタンクの外と内をトグラーで締め付け水漏れを防いでいるということです。
眞様、トグラーの水漏れは眞様のブログを参考に治りましたが、向かって左側のボルトから(たぶん?)水漏れが出てきてしまい、全分解してタンクの穴位置(特に左側)を慎重に合わせて乗せたところ、今のところ水漏れは起きておりません。眞様のホームセンターのトグラーで治すという想像力、観察力に感謝、敬服いたします。報告が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
TADAさん
お力の一助となれば幸いです。
ご報告ありがとうございました。