日本百名山

自転車ツーリングは登山の愉しみと重なるところが多いのではなかろうか。登山らしい登山はしていないので想像の範囲であるが。
中禅寺湖・千手ヶ浜へ行ったときのことだった。一般車の通行が禁止されている千手ヶ浜への道は風景が新鮮で登山の愉しみはかくやと思わせるものだった。

今頃になって深田久弥著「日本百名山」(新潮文庫)を読んだ。初版は昭和39年だが昭和53年発行の文庫版も46版と版を重ねていた。本の名前は知っていたが山行記や山の自然について書かれた本だと思っていた。しかし、印象とは違い内容は山の名称の由来、その山の歴史を主に書いた本だが、不思議と山の空気感が伝わってくる本だった。
山を数える時は一座、二座と言うことも今回初めて知った。一座当たりも5ページと非常に読みやすい。「私たちの精神的風土の形成に大きな影響を与えてきた山々の個性を、短い文章のうちに、見事に際立たせた名著」とは本の裏表紙に書かれていたものだが、非常にうまくこの本の内容を表現している。
こんな本を読むと登山とは無縁だった私の人生も非常に薄っぺらなものだったと感じるのである。

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